この世の背景

主に、どうしようもないことを書いています。

金縛りも幽霊も生理現象…かもしれないが

睡眠麻痺と入眠時幻覚っていうものがある。

 

夜中起きたら金縛りにあっていて、周りを兵隊に囲まれていたとか、部屋の隅に女性が立っていてこちらを見つめていた、っていう様な体験ね(「入眠時」幻覚、とは言うものの、一般人においては、途中で起きた時に認められることの方が多い)。最近はネット上にも情報がすっかり出回っているので、知っている人も珍しくないだろう。

 

幻覚の特徴は、もの凄くリアルなこと。感覚的には、現実との区別は全くつかないと、体験者は言う。但し「金縛りにかかっている」などの状況から、「だから、多分事実じゃないんだろうな」と、判断することは出来るそうだ。

 

自分にもその知識はあった。そういう生の体験談も、複数聞いたことがあった。だから、よくある「金縛りからの霊的体験」の話を聞いても「ふーん、あっそ」てなもんであった。それは生理現象に過ぎませんよ、と。

 

 

で、数年前に海外旅行をしたときのこと。

 

夏休みに、どことは言わないが南の島に行った。南の島だけにある程度は暑いし、飛行機にさんざん乗って疲れているし、環境も違うしで、やや寝苦しかったようだ。夜間に何度も目が覚めた。

 

そして、何度目かに起きた時、体が全く動かなくなっていた。

 

前述した様な知識はあったので、すぐに「これがいわゆる睡眠麻痺だな」と理解した。恐怖は無く、むしろ「おおう、初体験!」と少し嬉しくなったくらいだ。

 

まぁしかし、だからといって体は動く様にならない。そして、少し冷静になった時に、ある考えが思い浮かんだ。

 

「今、何かを想像したら、恐らくその幻覚が出現するのではないか」

 

そして、自然な流れとして、こう考えてしまった。

 

「今、怖いことを考えたらやばいな」

 

考えた矢先に、足下から「はっ、はっ」という呼吸音が聞こえてきた。なんだか獣っぽい。知識の通り、いや、知識以上に、むちゃくちゃリアルである。現実そのものである。これは怖いぞ、と思った。で、続けてこう思ってしまった。

 

「なんか足元にいるみたいだ。」

 

足に重みを感じた。何かが足に乗った様である。

 

「これ、上に登ってきたら怖いなぁ」

 

重さが徐々に上に上がってきた。足首、ふくらはぎ、太もも、腹…。この辺りで、耐えられなくなって目を閉じた(まぶただけは動いたようだ)。だって、幻覚だとしても、怖いものを見るのは嫌である。そのまま重みは胸に上がり、止まった。

 

「今、この人(動物?)は自分の顔を見ているんだろうな」

 

当然、何かが顔に近づいてきた感覚があり、顔面に湿った息がかかりはじめた。

 

ひー

 

しばらくはぁはぁされた後に、目が覚めた。むっちゃ汗かいてた。

 

まぁ何が言いたいかというと、これから暑くなって寝苦しくなりますが、途中で起きて金縛りになっていても、怖いことを想像しない方がいいよ。ちょっとでも想像したら見えるし、感じるからね。いや、単なる幻覚だから、そう気にすることも無いんだけどね。でも想像しないい方が良いよ。まじでそれが出来てくるから。むっちゃ怖いからね。幻覚だけどね。

 

例えば両目に釘の刺さった女性とかね、想像しない方が良いよ!