この世の背景

主に、どうしようもないことを書いています。

食器洗浄機の真価について

食器を洗うのが好きなやつがいるだろうか、いやいない。宇宙のどこにもいるはずがない。「したくない、死んでも!」というのが、全宇宙の生命体に共通した感想である。

 

なのだが、結婚してからというもの、食器洗いは自分の仕事になってしまっている。すげぇ嫌だけど、「毎日献立を考えて食事を作る」という地獄の拷問に比べればマシだと考えたからだ。しかしいくら納得済みとは言え、嫌なものは嫌なのである。嫌なので出来るだけ引き伸ばすのだが、翌日まで洗い物を残しておくと妻の顔が尋常じゃない感じに怖くなるので、結局夜中、就寝直前に血反吐を吐きながら洗い物をしていた。

 

もちろん、食器洗浄機という、人類の夢を具現化したような家電があることは知っていたのだが、前に住んでいた家の水道には設置不可能、ということだったので泣く泣く(血涙)あきらめていたのだ。

 

が、去年転居したことにより、ついに設置可能となって下記を即座に購入した。

最新モデルのひとつ前のモデルだが、最新モデルには「バイオパワー除菌」という、日本の愚かしい除菌文化の集大成のような機能と、神経質な人間だけが喜ぶ馬鹿みたいに細かい機能が付いているだけであったので、迷わず少し安いこちらのモデルにした。

 

で、使い心地について…は、実はこのエントリーの本題では無いのだが、購入を検討している人のために一応書いておこうか。えーと、素晴らしいよ、これは。購入しようか悩んでいる人は、食器に特にこだわりが無いのならさっさと買ったほうがいい。

 

洗浄能力は申し分ない。余程適当に配置しない限り、汚れは問題なく落ちる。容量は正直少し物足りない。食器の形状の問題もあって、適当に食器を選ぶと全てを洗うことは出来ない…が、気をつけて食器をチョイスすれば可能かもしれない(大人二人、子供一人)。音はそれなりにする。自分は余り気にならないが(子供の方がもっとうるさいので)、気になる人もいるかもしれない。まぁスピーディーモードにすればそう時間もかからない(40分くらいだったかな?)し、その間に別の家事をすればいいだけのことだ。あるいは、どうしても気になるのなら、寝る前に回せばいい。電気代・水道代は知らん。食器を傷めるかどうかも知らん。はっきりと傷ついたことは無いが、気になるなら止めといたらいい。

 

で、本題だが、食器洗浄機の真価について。

 

さっき少し触れたが、食器洗浄機を使っても、食器全てをこれで洗いきることは出来ない。鍋やフライパン、魚の網などの大物や、ちょっと深めの容器、コップなど、ある程度は残ることになる。だから食器洗浄機に食器をある程度放り込んだ後、結局は残る食器を洗わないといけないのだ。

 

「ああ、嫌だ、めんどくさい、洗いたくない…」

 

そして、その瞬間に食器洗浄機の真価が発揮される。

 

「…?あれ?意外に…洗える!そんなにはめんどくさくない!!」

 

何を言っているかわからないと思うが(自分でも何を書いているかわからない)、これはつまり、心理的抵抗についてのお話なのだ。

 

やる気についてのライフハック記事は、はてな界隈でゲップが100万回出るくらい見かけたし、どれもこれも要するに「とりあえずやり始めたらやる気が出るぜ」と書いているだけで新鮮さの欠片も無い腐臭を放つものばかりなのだが、まさにそれだ。とりあえず食器洗浄機に食器を放り込むその動作によって、残りの洗い物をする心理的抵抗が格段に下がり、洗い物に関する苦痛が、洗い物が減った以上に減少するのである。

 

これこそが、食器洗浄機の真価だ!

 

と、どや顔で言うほどのことではないのだが、食洗機の凄さに最近気づいて言いふらしたくなったので書いた。素晴らしいよ、これは。どんな環境音楽を聞いたり、お香を炊いたりするよりも、毎日の作業が減って余裕が出来ることの方が、心を豊かにしてくれるに決まっているのだ。

 

ああ、もっとでかいの買えばよかったかなぁ…。