この世の背景

主に、どうしようもないことを書いています。

少子化の原因と、社会的圧力の必要性

色々理由はあると思うが、非常に大きな要因の一つは「子供を作ること」が本能でサポートされていない、ということになるだろう。

 

人間(特に男性)にはセックスを求める強力な性欲が備え付けられているし、その行為を強力にサポートする「恋愛システム」は男女を問わず標準装備だ。で、妊娠して子供が生まれてしまえば、女性には突如子供が可愛くなって世話をしたくなる機能がついている(個人差はあれど)。

 

そして原始的な生活においては、それだけで事足りていた。わざわざ子供をつくるかどうか考えなくても、本能に従ってセックスすれば子供は生まれるのだから。だから「子供が欲しい」という欲求を、本能として装備する必要性は全くなかったのだ。

 

しかし、そんなところにまさかの避妊である。本能の盲点をピンポイントで突く悪行(?)。これによって人は、子供をつくる本能的な動機を全く失ってしまったのだ。コンドームごときで種族維持のための非常に重要な本能の連鎖が切れてしまう*1のだから、生物の仕組みは繊細というかなんというか。

 

で、子供が欲しいという本能は無いわけだから、少子化の認識について「社会の出産・育児のサポートに問題があるから少子化に至った」というのは誤りかつ楽観的過ぎるのであって、「子供をつくることを積極的に勧める社会でないなら少子化は必然」という方が正しい。ネガティブ要素を取り除くだけじゃ、子供は増えない。

 

だってめんどくさいもん、子供。手間も費用も尋常じゃなくかかるし。楽しいことが質的にも量的にも溢れている現代日本で、育児の楽しみなんか必須じゃないし。可愛いものが欲しけりゃペットがいるし。もし育成ゲームがしたくなったって、子供一人で十分だし。本能のサポートとか、社会の圧力が無いと、つくる気にならねーよ。

 

だから、ちょっと妊娠・出産・育児サポートして苦労を減らすだけじゃ全然足りない。そもそも「子供なんて大して要らない」と思っているのだから。そしてそれは十分合理的な判断なのだから。妊娠〜育児のサポートだけで押すのならば、もの凄く、とてつもなく、過剰にサポートして、苦労を極限まで減らさなければならないが、そんなこと出来っこないだろう。

 

なのであれだ、やっぱり 洗脳 教育の併用が必須だろう。幼少期から育児と出産の素晴らしさ、人類や社会にとっての意義、そうすることが常識的な大人である、生き方の多様性がどうとかこうとか、そんなものは子供をつくること前提で考えろ!いやむしろつくってから考えろ!!的な感じでごりごりと刷り込めば良いのではないだろうか。

 

その様にして刷り込まれた人間の内的な義務感や、あるいはそいつらが徒党を組んで作り上げる社会的な圧力のみが、少子化を防ぐのだ。本能にないことをやらすんだから、それくらいする必要はある。その圧力によって多少不便な思いするのはしょうがない。そこに関して自由や多様性を尊重しろなんて言ってると、滅亡しか道はないのである。

 

…まぁそれも自由か。

 

*1:それでも、育てるための「可愛い」と感じる本能が、間接的・部分的に「子供が欲しい」のサポートになっている可能性はあるが。