この世の背景

主に、どうしようもないことを書いています。

娘のイマジナリーフレンド

3歳になったばかりの娘と話していると、すぐに「ジャン」という人物が出現する。「でもジャンは…」「ジャンが…なんだよ」「ジャンなら…だよ」などなど。どうも、架空のお友達らしい。

 

幼少期の自分にそんなものがいた記憶は無いが、周囲に聞いてみるとそれほど珍しいものではないらしく、かつ、自分の狭い観測範囲に限ると、女児に多いようである。

 

その「ジャン」であるが、恐らく最初は娘の気に入った響きの名前だけがあったものと思われる。2歳6ヶ月頃(だったかな?)から妙な造語を作って遊ぶ様になっているので、その流れではないだろうか。そしてその「ジャン」と名付けられた友人に、後付けで設定が付け加えられている様なのだが、それが一時的でなくちゃんと保存されているので、どんどんと積み重なって複雑になっているのである。

 

そして今やジャンの友達の友達のそのまた友達の…と、登場人物が増えて、よくわからないことになっているので、暇つぶしに、出現順に紹介したい。

 

ジャン

ほとんど男の子だが、ちょっとだけ女の子らしい。どこが女の子なのかは不明。オカマ的なものかもしれない。ボーイスカウト所属。東京の某所在住(ちなみに自分は東京在住ではない)。ピンクと白の可愛い猫の姿なのだが、象ぐらいの大きさなので総合的には化け猫の部類であり、想像すると割と怖い。幼少期はハローキティだった(?)のだが、成長して(??)そんな恐ろしげな姿になってしまったという。父である自分も知らない内に娘に色々とプレゼントを贈っている様なので、裕福なのだろう。しかし娘にプレゼントを与えておきながら、自ら奪い取ることもあるなど、かなり屈折している。基本的には娘の味方であり、娘を無制限に甘やかす言動を繰り返すため、娘は頻繁に「でもジャンはいいって言ってた」「ジャンも…するって」などと口答えするになっており、親としては苦々しい。しかしなんせ象ぐらい大きい猫なので、怖くて口出し出来ない。

 

グン

ジャンの一番の友人(頻度が高いので、恐らく)。しかし娘の友人ではない。娘の直接の友人はどうやらジャンだけのようで、そこらへんの設定はシビアである。こいつも化け猫。後述するが、第3の化け猫であるゴーギーの所持品が無くなった場合に、いくらでも自腹で購入して補充するリッチマン。

 

ゴーギー

グンの友人。種族不明。おもちゃなどを散らかすのが大好きな、反教育的存在。無くなったおもちゃはグンに無制限に買ってもらえる。

 

ドンド

ゴーギーが散らかしたおもちゃなどを、ドンドンと踏みつけて片っ端から破壊するだけの存在。興味深いことに、こいつはゴーギーの友人ではないらしい。グンが創造を、ゴーギーが混沌を、ドンドが破壊を象徴していると言えるかもしれない。あるいは、際限のない購入、使用、廃棄、そしてまた購入という、現代の消費社会を揶揄しているのかもしれない。してないかもしれない。いや、多分してないな。

 

ジャーギー

ゴーギーの友人。詳細不明。ドンド以降、交友関係が広がらなくなることの対応策として生み出された存在か?

 

パペ

ジャーギーの友人。かつ、何故か破壊神ドンドの友人でもあるなど、交友関係が広い。おまけにピアノが弾けるし、歌も歌える。しかし代表作の「へんてこな歌」は、その歌詞が「へんてこ〜へんてこ〜へんてこ〜へんてこ〜へんてこ〜(以下、30回リピート)」という単純かつもの凄く人をイライラさせるものであり、音楽的才能については甚だ疑わしいと言わざるを得ない。

 

 

以上が安定して出現する登場人物であるが、教育的な奴が一人(一匹)もいないのが痛い所である。特にジャンについては、あまりに頻繁に「だってジャンが…」「ジャンが良いって言った」などと言い訳に登場するために、妻がややノイローゼ気味に「ジャンのことはもう知らないよ!!」と言い放つ様になっており、そろそろ対策が必要かもしれないが面白いのでしょうがなく放置しており、頭が痛い。

 

今後どのような経過で増えたり減ったりし、そして消えていくのだろうか。例えば、幼稚園に行きだすと消えるのだろうか?

 

それにしても、人間の発達過程をこんな間近で連続的に眺められる機会なんて、子供を持つ以外にはちょっと思いつかない。いやぁ、子供をつくって良かったなぁ(?)